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そこは小高い丘。
空に浮かぶ満月がよく見える。
月の光だけでは周りはよく見えない。
ただ、遠くにあるいくつかの光は確認できた。
「ねぇ、そこは私の指定席なんだけど」
透き通った声は、背後から聞こえた。
振り向けば、そこには一人の少女がいた。
月明かりで照らされた体は、暗闇の中、白く映えていた。
それを強調するかのような真っ白なワンピース。
風に揺れる布に合わせ、彼女の長い黒髪が揺れる。
何を思うことなく、僕は黙って彼女を見ていた。
「初めて会う・・・よね?
この辺に家はないけど・・・・・どこから来たの?」
僕は相変わらず黙ったままで、ただ立っていた。
彼女はにこっと笑うと、僕に近づいてきた。
何が嬉しいのか、その時の僕には分からなかった。
なぜなら、僕はからっぽだったから。
「・・・・・・知らない」
「ふ~ん・・・そっか」
深くは聞いてこなかった。
「私はサツキっていうの。咲く月って書いて【咲月】
今日の夜空と同じ、満開に咲いた月、ね」
だから何だ?って感じだった。
いくら彼女が笑っても、僕はずっと無表情で黙ったままだった。
名前も聞かれた。
でも、僕はからっぽだから。
「分からない・・・の?
もしかして記憶喪失とかかな・・・・」
彼女は、とうとう僕の前にやって来た。
細長いその体は、意外にも、僕より小さかった。
「よし!私が名前を付けてあげる」
彼女は、一人元気だった。
僕は疲れていたのかもしれない。その時、こう言った。
「・・・・・・・いい」
「ぇ?何で?
あ、やっぱり・・・本当は自分の名前があるもんね・・・」
違う。
もともとからっぽな自分に、そんなものは必要ない。
ただのイキモノに、必要なものは、生きる術だけ。
そう思っていた。
この時点で、僕は人になっていた。
ただ、その事に気づいてなかっただけなんだ。
「・・・僕には何も無い。だから、名前も何も、いらない」
「よく分からない」
あまりにも即答だった。
「生きているものには名前が必要。それだけのことでしょ」
それに・・・と、さらに彼女は続けた。
「何も無いなんてことない。
だって、いま私と話してるって事は、からっぽじゃないって証拠だよね」
からっぽじゃない・・・・こんな僕が・・・?
“ここ”に生まれてまもなく。
こんなにも早く、自分を見つけた人がいるなんて、今思うと不思議だ。
いや、それよりも、今の自分があることが不思議かもしれない。
僕が生まれたこの日から、終わりが来る今までの話を語り明かそう。
何もかも、全てを。
はい。ちょーーっと分かりにくい小説をアップです(笑)
自分でも整理しながらじゃないと、上手く表現できない代物。
更新頻度が一番低くなりそうだなぁ・・・
次回は、妖精が出てくる「Heart」を予定。
コレが更新頻度が一番高くなりそうなブツ。
実は、キャラ設定は全て終わってるという・・・ね。
後はどうやって文章にするかorz
蜻蛉公知さんからバトンが!!
でもこっちはあまり人が来ないので、向こうのサイトでキャッチしまーす!
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自己満足なサイト万歳(笑)